ウィルスの定義とは

ウイルス作成罪 (バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳) さんで取り上げられています。

まずは犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案から一部引用します。

第百六十八条の二 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
二 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2 前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3 前項の罪の未遂は、罰する。
(不正指令電磁的記録取得等)

用語を理解してみましょう。

「人の電子計算機における実行の用に供する目的」
「人が電子計算機を使用するに際して」
真紀奈さんの所では以下の解釈ができるとのことです。

制限というのは168条の2の1項にある、「人の電子計算機における実行の用に供する目的で」の部分です。この「人」は「他人」のことを指し、「本人と、本人に同意を得た他人」は含まれないそうです。つまり、研究目的で実行するとか、セキュリティチェックのために実行するというような用途の場合は罪に問われないということになります。

「本人」とは記録を作った人の事を示すのでしょう。つまり、「プログラムを使用する同意が得られなかった (つまり任意契約のできなかった?) 方」がコンピュータを使用する、ということのようです。

「電磁的記録その他の記録」
「記録」そのものを示しているようです。電子計算機上で実行可能・不可能を定義しておらず、更には記録であれば何でも良いという定義がされています。実際のバイナリ データ、ソース コードや設計書、プログラム実行に必要な補助ファイル等も全て含むでしょう。
「その意図に沿うべき動作をさせず」
ここでは、その「記録」が「意図する動作」を有しているということが前提になるようです。そして「意図する動作」をしないものと定義しているようです。
「その意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える」
前述の「意図する動作」に反する動作をしなくても、一般的に「このコードは Exproit コードだ」と認知されているようなコードが実行された場合、という状態を定義しているようです。
「不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録」
「意図する動作」とは反する指令を記録したものです。これも記録なら何でも良いようです。
「不正な指令」
「意図する動作」とは反する指令です。

というわけで、以上の考察からこの法律を解釈すると。
ユーザーさん*1が「この動作おかしい! その意図に沿わない動作だ!」と感じるプログラムは、全てこの法律で処罰できる、となる模様ですね。また、それらを記した用紙、つまりソース コードを書き起こした時点で処罰対象になるようです。
ただし、任意契約があれば話は別。他人ではなくなってしまえば、これに該当しても問題ないようです。*2

*1:ここは意図的に拡大解釈をしています。「ユーザーさん」と表現しているところは、「善意の第三者や類似する専門家」と解釈した方が良いのかもしれませんが、ここではそう記されていないのと、世論を見たうえでは、拡大解釈せざるを得ません。

*2:当然と言えば当然?