MCE 2005 がドメインに参加するための方法

http://d.hatena.ne.jp/ciro/20060623/p1 より。
ここで紹介されている手順を使用することにより、MCE 2005 においても、ドメインへの参加が可能になります。従来 MCE 2005 はコンピュータのインストール時にしかドメインへ参加させることができませんでした。そのため、やむなく再インストール・・・という状況において躊躇することもしばしばあったようです。そういった方は「推奨できませんが」この手順を試してみるのはどうでしょう。


ここで、MCE (Media Center Edition) がドメインに参加できない、という点がなぜ問題になるかということについても触れていきます。自分が「なぜこの手順を推奨しないのか」ということと、「将来どうしたらいいのか」ということに対する意見のひとつとして受けとっていただければと思います。


実は MCE、当初この記事での紹介にもあるとおり、「Windows XP Professional に機能追加を施した」製品として扱われていました。Windows XP には「ドメインに参加できない」Home Edition および「ドメインに参加できる」Professional の二種類の OS があることはご存知かとおもいます。方やコンシューマ向けに低価格なものとして提供してきた OS です。方や高価ですが製品としては企業向け・・・として扱われていました。当然、「MCE = Professional に追加機能」という意識もここで浸透していくことになっていきました。

MCE は年号無記名の GOLD といわれるバージョン、そして 2004、2005 と年々新しい製品がリリースされています。日本向け製品は MCE 2004 からの提供となったので、MCE GOLD は日本では普及していませんが・・・。MCE 2004 はもちろん、ドメインに参加させることができました。しかし MCE 2005 になってから、マイクロソフトドメインに参加できないよう仕様変更を加えたのです。


もちろん、MCE はコンシューマ向けに特化した製品ですので、企業向けの Professional がベースになっている点がおかしいのでしょう。ただ、当初 Professional の上位としての触れ込みだった MCE はドメインに参加できないよう改良が加えられ、しかしセットアップ時にだけはドメインに参加できるという、なんともいたたまれない仕様変更となってしまいました。もちろん MCE がドメインに参加できると思って購入している方もいるでしょう。そうした人々に対しての一切のフォローもありませんでした。買った人にとってはがっかりですね。


今回紹介した手順はどうでしょうか。レジストリの変更を加えられない領域ということは、Microsoft 側としては「変更してくれるな」という意思表示なのでしょう。そこを回復コンソールで強引に書き換えて何とかしてしまう、という方法はやはりいただけません。MCE 2005 がドメインに参加できないことを承知しながら、確信犯的にわざとこの設定を変更して使用することはよろしくありません。やってはならないことです。ただし、MCE がドメインに参加できるものとして購入した方からしてみれば、「聞いていない」ということが実情としてあるでしょう。果たしてそういう方に対してどう責任を取るのか。追及するのもよいですが、こういった機能が救済措置として働けばいいんでないか、と思います。


さて、そろそろ Windows Vista がリリースされます。Windows Vista では、OS に五つの「エディション」が提供されます。MCE で追加された機能は、このうち「Home Premium」と「Ultimate」の二つのエディションで提供されることになります。Home Premium は Windows XP Home Edition に MCE の追加機能分を設定したものになります。もちろん、Home ベースなのでドメインには参加できません。また、Ultimate はすべての機能を搭載した製品になります。つまり、ドメインに参加できるということになります。すなわち、これまで説明してきた「MCE はドメインに参加すべきか否か」という問題に対して、エディションを分けるということで用途に合わせて購入してほしいというメッセージが含まれている、と考えることができるでしょう。

なぜ Vista にはこんなにたくさんのエディションが存在するのか・・・その一端はこういったところから少しずつですが紐解くことができます。こういうことからも、ユーザーは是非、どの Edition がよいのか見極めてもらえればと。また販社もこういった違いや歴史から、顧客に正しいメッセージを伝えてもらえればとも思います