SCVMM データベースに、同梱の SQL Server Express を使用することで運用に支障がでることがある

SCVMM には SQL Server が必要になります。そのためデフォルトでは SQL Server 2005 Express (2008 では SP2、2008 R2 では SP3) が付属します。しかし、同梱の SQL Server Express を利用すると、データベースのマイグレーションが非常に困難になります。

SCVMM Server をインストールすると、"Virtual Machine Manager サービス" が組み込まれます。このとき、同梱の SQL Server Express を利用するようにすると、このサービスに SQL Server サービスが関連付けされてしまうのです。そのため、SQL Server Express を停止できなくなってしまうのです。
また、データベース接続文字列はレジストリに保存されているのですが、これの変更も思ったようにうまくいかず、設定変更手順を示す適切なドキュメント類も提供されていないため、結果的に再インストール以外の選択肢が無くなってしまします。

ただし、再インストールする際は、以前のデータベースをバックアップし、再構築後に Virtual Machine Manager サービスを停止、リストアすることで元の設定をリカバリできるようです。

ということでいろいろ面倒くさいので、同梱の Express は利用せず、できれば Standard 以上、無理であればダウンロード版の Express で良いので、SQL Server を事前にインストールしておくとよいでしょう。*1

ちなみに、データベース接続文字列の設定は以下のドキュメントに記載があります。
Configuring a Remote Instance of SQL Server for VMM | Microsoft Docs

*1:これは経験的に、SCVMM だけでなくその他すべての製品で言えます。言語設定、Service Pack や修正プログラム管理、その他もろもろの運用作業で支障がおきます。同梱モノは一体何が入っているのかさっぱりわからないですから。