百五銀行、システムを Windows Server 2003 で一新

百五銀行,世界初の全面Windows移行 | Okumura's Blog より。

日経コンピュータ 2007/5/28 号「プロジェクト完遂の軌跡」に、百五銀行 (三重県) のシステム更新に関する話題が掲載されています。

このシステムは勘定系および基幹系に Windows Server 2003, Datacenter Edition と SQL Server 2005 Enterprise x64 Edition を採用し、国際系、融資系などに Windows Server 2003, Enterprise Edition を使用した、完全 Windows システムとなったようです。ミドルウェアには UNISYS 製 MIDMOST を採用しています。

銀行にとっての重要なポイントはこのように考えられます。

  • 運用管理に三割ほどの経費削減を見込んでいることから、超大幅なコストダウンを実現できそうなシステムとなった。
  • DWH を各支店で統一したことから、顧客情報の参照・更新をすべての支店で実施できるようになった。
  • 汎用機に必要な夜間停止も削減でき、ATM の 24 時間稼働が可能となった。
  • 新システムの共同利用の体制が整った。(鹿児島銀行紀陽銀行佐賀銀行筑邦銀行十八銀行)

構築にとっての重要なポイントはこのように考えられます。

  • Microsoft にとって重要な案件と認識され、バルマー氏がサポートを表明した。(SQL Server 2005 SP1 実装機能の GOLD 版でのサポートを手に入れた)
  • SQL Server 2005 が開発途中であったことから、米 Microsoft の開発サイドのサポートを手に入れた。(銀行側で通訳 3 人のコスト)
  • MIDMOST が開発途中であったことから、UNISYS 側の強力なサポートを手に入れた。

上役の真剣な取り組みが感じ取れます。同時に周りを上手に巻き込んでいる点も評価できますね。非常に良いシステム更改になったのではないでしょうか。これなら、UNISYS も社運をかけた甲斐がありますね。昨日トラブルを起こした ANA 発券システムは残念でしたが、原因の一つに上役のビジョンが不明瞭なことが挙げられるのではと考えています。こうした明確なビジョンは、案件成功のためにも大切なのでしょう。

地銀は自分も利用しているのですが、将来も非常に見通しがよさそうですし、ぜひこういったシステムを使ってほしいところです。